【奴隷】お題de小説 6発目【怨念】
お題:最近、キュンってしちゃった事ありますか?に回答♪
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心の在り処がどこにあるのかわかるほどに。先生のしてくださることは、きゅん、などを超えて私を蹂躙する。私の命は砂漠で生きている。干からびて歩き疲れた先で、オアシス、とも呼び難いけれどうずくまって吸えば潤うほどの水が滲み出ている場所。それが先生。でも先生はいつもそうやって、地べたに這う私の虫のような背中を、とてもとても大きくて尊くて美しい足でぐちゃぐちゃに潰していくのだ。
手元に、空き缶。
先生は、まずビールを飲む。そのあと焼酎。少ししてウィスキー。
だから、この、桃の缶チューハイは、私のでもなければ先生のものでもなく。
「ゴミ捨ててきますね」
あまり、戻るのが遅いと怪しまれる。
左手に空き缶のゴミ袋。右手に昨夜から溜まった可燃ゴミの袋。レシート?髪の毛?化粧落としシート?コンタクトの入れ物?
夏はまだ遠い。風が無表情に冷たい。
暗闇。街灯の下。
心臓の根元を掴まれたら、きっとこんな風に痛くて、目眩がして、呼吸が浅くなるのかもしれない。私という形のペラペラの型紙があらゆる鋭利さでズタズタにされる。
それでも私は、先生といるときにだけ、水が、飲める。
ゴミ袋を漁る私は、本当に、虫みたいだな。
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他の女性の気配を感じると、とてつもなくきゅんとしますね。